呼吸器感染症に対するMK-0787/MK-0791とPiperacillinの薬効比較試験成績

MK-0787/MK-0791の呼吸器感染症に対する臨床効果と, 安全性を客観的に評価する目的でpiperacillin (PIPC) を対照薬とし, 1日量をMK-0787/MK-0791は1g/1g, PIPCは4gにて14日間点滴静注を原則とするwell controlled studyを行い, 以下の結果を得た. 1. 全投与症例は367例 (MKO787/MK-0791群183例, PIPC群184例) であったが, 小委員会による臨床効果判定対象例は301例 (MK.0787/MK-0791群155例, PIPC群146例) であった. 2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 60; no. 4; pp. 345 - 377
Main Authors 副島, 林造, 松島, 敏春, 二木, 芳人, 中浜, 力, 日野, 二郎, 斎藤, 玲, 中山, 一朗, 富沢, 磨須美, 吉田, 司, 芳沢, 正幸, 水越, 和夫, 滝島, 任, 青沼, 清一, 渡辺, 彰, 今野, 淳, 荒川, 正昭, 和田, 光一, 近藤, 有好, 星野, 昭夫, 広野, 耕一, 野沢, 幸男, 成田, 昌紀, 青木, 信樹, 長谷川, 鎮雄, 亀山, 昌明, 河合, 美枝子, 斉藤, 礼子, 横瀬, 節, 尾仲, 章男, 味澤, 篤, 有川, 一美, 斎藤, 篤, 加地, 正伸, 谷本, 普一, 中谷, 龍王, 中森, 祥隆, 中田, 紘一郎, 可部, 順三郎, 石橋, 弘義, 工藤, 宏一郎, 佐藤, 寿伸, 土肥, 真, 真下, 啓明, 鵜飼, 徹朗, 中川, 圭一, 渡辺, 健太郎, 藤枝, 一雄, 伊藤, 敏雄, 清水, 喜八郎, 渡辺, 一功, 島田, 馨, 稲松, 孝思, 浦山, 京子, 吉田, 雅彦, 小林, 芳夫, 大久保, 隆男, 伊藤, 章, 長谷川, 英之, 山部, 快太郎, 栗原, 牧夫, 高橋, 健一, 三浦, 富次, 武内, 俊彦, 加藤, 政仁, 鈴木, 幹三, 山本, 和英, 水島, 豊, 大山, 馨, 中井, 準, 種田, 和清, 池田, 宣昭, 辻野, 博之, 長谷, 光雄, 岡本, 緩子, 米津, 精文, 佐々木, 英夫, 福原, 弘文, 光山, 豊文, 有田, 浩之, 上綱, 昭光, 仁保, 喜之, 小橋, 修, 長野, 準, 広瀬, 隆士, 高本, 正祇, 原, 耕平, 山口, 恵三, 鈴山, 洋司, 河野, 茂, 小田, 敏郎, 大田, 迪祐, 力富, 直人, 永武, 毅, 宇塚, 良夫, 那須, 勝, 安藤, 正幸, 菅, 守隆, 小張, 一峰, 伊良部, 勇栄, 比嘉, 實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.04.1986
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Summary:MK-0787/MK-0791の呼吸器感染症に対する臨床効果と, 安全性を客観的に評価する目的でpiperacillin (PIPC) を対照薬とし, 1日量をMK-0787/MK-0791は1g/1g, PIPCは4gにて14日間点滴静注を原則とするwell controlled studyを行い, 以下の結果を得た. 1. 全投与症例は367例 (MKO787/MK-0791群183例, PIPC群184例) であったが, 小委員会による臨床効果判定対象例は301例 (MK.0787/MK-0791群155例, PIPC群146例) であった. 2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではMK-0787/MK-0791群80.0%, PIPC群71.7%の有効率であり, 両薬剤間に有意差は認められなかった.一方, 主治医による効果判定では, MK-0787/MK-0791群82.0%, PIPC群72.0%の有効率を示し, 両薬剤間に有意差が認められた.3.小委員会判定による肺炎・肺化膿症群に対する臨床効果では, MK-0787/MK-0791群76.3%, PIPC群80.6%で両薬剤間に有意差は認められなかったが, 慢性呼吸器感染症群ではMK-0787/MKO791群83.5%, PIPC群63.0%の有効率で, MK-0787/MK-0791群が有意に優れていた.主治医判定でも同様の結果が認められた. 4. 起炎菌別臨床効果および細菌学的効果は, 全症例では両薬剤問に有意差は認められなかったが, P.aedugimsa単独感染例では, MK-0787/MK-0791群が有意に優れていた. 5. 副作用, 臨床検査値異常の発現率では両薬剤間に有意差は認められなかった.6. 小委員会判定による有用性は, 全症例および慢性呼吸器感染症群で, MK-0787/MK-0791群が有意に優れていた.また, 慢性呼吸器感染症群は, 主治医判定においても有意差が認められた. 以上より, MK-0787/MK-0791は呼吸器感染症の治療に有用な薬剤であることが示された.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.60.345