円筒プランジ研削における工作物表面温度のインプロセス測定結果を用いた熱変形量の予測システムの開発

円筒プランジ研削においては,研削熱の流入により工作物が熱膨張し,加工終了後に収縮するために工作物径の寸法精度の低下が問題となる.そのため,加工中の工作物熱膨張量をシミュレーション解析により把握することで,寸法精度の向上が期待される.筆者らが開発した研削中の工作物熱変形量のシミュレーション解析手法においては,工作物に流入する研削熱を推定するために研削抵抗の実測が必要であるが,ひずみゲージを用いた研削抵抗の測定では,測定系の準備に多くの時間を要するとともに,精度よく測定するためにはノウハウが必要であり,加工機への実装は容易ではない.そこで,本研究では,比較的測定が容易な工作物の表面温度と寸法生成量...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 55; no. 7; pp. 418 - 423
Main Authors 大西, 孝, 坂倉, 守昭, 佐伯, 哲弥, 谷村, 賢彦, 和田, 洋平, 大橋, 一仁, 塚本, 真也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 砥粒加工学会 2011
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Summary:円筒プランジ研削においては,研削熱の流入により工作物が熱膨張し,加工終了後に収縮するために工作物径の寸法精度の低下が問題となる.そのため,加工中の工作物熱膨張量をシミュレーション解析により把握することで,寸法精度の向上が期待される.筆者らが開発した研削中の工作物熱変形量のシミュレーション解析手法においては,工作物に流入する研削熱を推定するために研削抵抗の実測が必要であるが,ひずみゲージを用いた研削抵抗の測定では,測定系の準備に多くの時間を要するとともに,精度よく測定するためにはノウハウが必要であり,加工機への実装は容易ではない.そこで,本研究では,比較的測定が容易な工作物の表面温度と寸法生成量を用いて研削抵抗を推定する新たな手法を提案するとともに,研削抵抗の推定値をもとに工作物熱変形量を算出するシミュレーション解析手法の構築を試みた.同時に,研削実験において工作物熱変形量のインプロセス測定を行い,提案法によるシミュレーション解析結果と良好な一致が得られた.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.55.418