結核性胸膜炎患者における胸水中のBCG抗原量とAdenosine deaminase活性

酵素免疫測定法により結核性胸膜炎患者および非結核患者の胸水中におけるBCG抗原の検出について検討した. また, 胸水中のadenosine deaminase (ADA) 活性の測定も同時に試みた. 非結核患者34名と結核菌は分離されなかったものの臨床経過から結核性胸膜炎が疑われた2例から得られた胸水中のBCG抗原量は6ng/ml以下であった. 一方, 胸水から結核菌が分離された3例では18ng/ml以上のBCG抗原が検出された. 胸水中のADA活性値は結核性胸膜炎患者5例では平均84.4±35.4IU/l, 非結核患者で19.1±10.6IU/lであり, 結核性胸膜炎患者で有意 (p<...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 61; no. 6; pp. 662 - 667
Main Authors 吉田, 知孝, 藤田, 信一, 松原, 藤継
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.06.1987
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.61.662

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Summary:酵素免疫測定法により結核性胸膜炎患者および非結核患者の胸水中におけるBCG抗原の検出について検討した. また, 胸水中のadenosine deaminase (ADA) 活性の測定も同時に試みた. 非結核患者34名と結核菌は分離されなかったものの臨床経過から結核性胸膜炎が疑われた2例から得られた胸水中のBCG抗原量は6ng/ml以下であった. 一方, 胸水から結核菌が分離された3例では18ng/ml以上のBCG抗原が検出された. 胸水中のADA活性値は結核性胸膜炎患者5例では平均84.4±35.4IU/l, 非結核患者で19.1±10.6IU/lであり, 結核性胸膜炎患者で有意 (p<0.01) に高値を示した. 胸水中のADA活性の測定はBCG抗原の検出よりも迅速, 簡便で結核性胸膜炎の診断に有用と思われた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.61.662