血中β-グルカン濃度を測定する新規の深在性真菌症診断法の性能評価

深在性真菌症の高感度診断法として新たに開発されたβ-グルカンテストマルハは, 菌体の細胞壁構成成分の (1-3)-β-D-グルカンを検出するものである. 本報告では, β-グルカンテストマルハの性能を評価した. β-グルカンテストマルハは, 既存の (1-3)-β-D-グルカンの測定法で指摘されているサルファ剤, 溶血, 免疫グロブリンG (IgG) の影響を受けるという問題点を克服しており, それぞれ200μg/ml, 500mg/dl, 6,000mg/dl以下の濃度ではこれらの影響を受けないことが確認された. さらに投与薬剤の影響を調べるため, 深在性真菌症治療薬5種, 抗生物質8種,...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 77; no. 4; pp. 219 - 226
Main Authors 茂呂, 寛, 塚田, 弘樹, 小原, 竜軌, 諏佐, 理津子, 田邊, 嘉也, 鈴木, 栄一, 下条, 文武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.04.2003
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Summary:深在性真菌症の高感度診断法として新たに開発されたβ-グルカンテストマルハは, 菌体の細胞壁構成成分の (1-3)-β-D-グルカンを検出するものである. 本報告では, β-グルカンテストマルハの性能を評価した. β-グルカンテストマルハは, 既存の (1-3)-β-D-グルカンの測定法で指摘されているサルファ剤, 溶血, 免疫グロブリンG (IgG) の影響を受けるという問題点を克服しており, それぞれ200μg/ml, 500mg/dl, 6,000mg/dl以下の濃度ではこれらの影響を受けないことが確認された. さらに投与薬剤の影響を調べるため, 深在性真菌症治療薬5種, 抗生物質8種, 合成抗菌薬1種, 輸液剤2種, 造影剤1種の影響を調べた結果, β-グルカンテストマルハは, これら薬剤濃度が実用的濃度下では, 深在性真菌症の診断への影響を受けないことが確認された.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.77.219