動物病院スタッフを対象としたズーノーシスに対する意識調査

1,057名の動物病院スタッフを対象に, 回答者自身のズーノーシスに関する知識の習得状況と飼い主に対する衛生指導状況についてアンケート調査を実施した. スタッフ自身の知識の習得状況およびペットの飼い主に対する指導状況は, 適切または不適切の「どちらともいえない」という回答がそれぞれ53.8%および52.4%を占め, 適切または不適切という回答よりも高値を示した. また, 各種内部寄生虫がペット動物からヒトに感染することを知っているかという設問に対して, 知っていると回答した割合はそれぞれToxocara canis (86.5%), Toxoplasma gondii (82.4%), Dir...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 77; no. 5; pp. 323 - 330
Main Authors 浅野, 妃美, 鈴木, 一由, 浅野, 隆司, 酒井, 健夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.05.2003
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Summary:1,057名の動物病院スタッフを対象に, 回答者自身のズーノーシスに関する知識の習得状況と飼い主に対する衛生指導状況についてアンケート調査を実施した. スタッフ自身の知識の習得状況およびペットの飼い主に対する指導状況は, 適切または不適切の「どちらともいえない」という回答がそれぞれ53.8%および52.4%を占め, 適切または不適切という回答よりも高値を示した. また, 各種内部寄生虫がペット動物からヒトに感染することを知っているかという設問に対して, 知っていると回答した割合はそれぞれToxocara canis (86.5%), Toxoplasma gondii (82.4%), Dirofilaria immitis (80.5%), Dipylidium caninum (73.6), Ancylostoma caninum (73.3%), Spirometra erinacei (64.7), Giardia lamblia (57.6), Echinococcus spp. (45.7%), Hymenolepis nana (31.8%) およびCryptosporidium parvum (20.7%)であった. 動物病院内だけでは系統だった教育を受けたり最新の知識を得たりする機会が少ないことから, ペット臨床に携わる者に対するズーノーシス予防のための教育の必要性が考えられる.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.77.323