マウス骨髄細胞のCandida albicans発育阻止能に及ぼすサイトカインの増強作用の評価法の検討

日和見感染の予防および治療法としての抗菌化学療法の効果が不充分な場合, 特定のサイトカイン, 特にG-CSFをはじめとするコロニー刺激因子自身または, その産生誘導活性をもつ化合物は, Candida albicans (以下C. albicansと略) その他の日和見菌による感染に対する予防および治療に有用と考えられる.そうした免疫増強活性をもつ化合物の簡便, 迅速でしかも高感度の評価系ならびに探索系を開発することを目的として, マウス骨髄細胞 (BMC) のC. albicans発育阻止能を増強する活性を指標とするin vitro測定法を検討した.各種条件下で比較検討した結果, G-CSF...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 75; no. 4; pp. 326 - 332
Main Authors 諸藤, 慎一郎, 安部, 茂, 丹生, 茂, 斧, 康雄, 山口, 英世, 冲永, 功太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.04.2001
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Summary:日和見感染の予防および治療法としての抗菌化学療法の効果が不充分な場合, 特定のサイトカイン, 特にG-CSFをはじめとするコロニー刺激因子自身または, その産生誘導活性をもつ化合物は, Candida albicans (以下C. albicansと略) その他の日和見菌による感染に対する予防および治療に有用と考えられる.そうした免疫増強活性をもつ化合物の簡便, 迅速でしかも高感度の評価系ならびに探索系を開発することを目的として, マウス骨髄細胞 (BMC) のC. albicans発育阻止能を増強する活性を指標とするin vitro測定法を検討した.各種条件下で比較検討した結果, G-CSFとともに24時間前培養したシクロフォスファミド処置マウス由来のBMCをE/T比160で用いた場合に最も高感度に応答し, 0.005ng/mlの低濃度でC. albicans発育阻止能の増強がみられた.同様の効果はGM-CSFでも, 0.05ng/ml以上の濃度でみられた.従って, 本法はC. albicans発育阻止能の増強という点でG-CSFやGM-CSFの免疫増強の評価ならびに探索に有用と考えられる.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.326