外傷患者の長期的なQOLに影響する因子は何か
【目的】本研究の目的は,外傷後のQOLの経時的変化を調査し,それに影響を与える因子を明らかにすることである。【方法】2013年9月から2015年9月までに当院に入院した外傷患者を対象とし,SF-36スコアの推移を1年間フォローアップした。プライマリアウトカムを退院後1年間のSF-36の身体機能スコアと心の健康スコアとし,それに影響を与える因子をlinear mixed-effects modelを用いて検討した。【結果】対象患者は129人であった。下肢外傷,譫妄,同居家族ありが身体機能スコアを,既婚が心の健康スコアを低下させていた。Injury severity score(ISS),手術の有...
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Published in | 日本集中治療医学会雑誌 Vol. 25; no. 6; pp. 431 - 436 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本集中治療医学会
01.11.2018
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ISSN | 1340-7988 1882-966X |
DOI | 10.3918/jsicm.25_431 |
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Summary: | 【目的】本研究の目的は,外傷後のQOLの経時的変化を調査し,それに影響を与える因子を明らかにすることである。【方法】2013年9月から2015年9月までに当院に入院した外傷患者を対象とし,SF-36スコアの推移を1年間フォローアップした。プライマリアウトカムを退院後1年間のSF-36の身体機能スコアと心の健康スコアとし,それに影響を与える因子をlinear mixed-effects modelを用いて検討した。【結果】対象患者は129人であった。下肢外傷,譫妄,同居家族ありが身体機能スコアを,既婚が心の健康スコアを低下させていた。Injury severity score(ISS),手術の有無は影響を及ぼさなかった。【結論】受傷12ヵ月経過しても健康関連QOLは国民標準値に至らなかった。社会背景や受傷部位が長期的なQOLに強く影響を及ぼしていた。 |
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ISSN: | 1340-7988 1882-966X |
DOI: | 10.3918/jsicm.25_431 |