胃瘻造設高齢者の介護を行う家族の介護負担

本研究では,胃瘻造設高齢者の介護を行う家族の介護負担を明らかにすることを目的とした。胃瘻造設をした高齢者を自宅で介護した経験のある主介護者5名を対象として半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した。その結果,35の[コード],14の【カテゴリー】,3つの『テーマ』が抽出された。患者の家族は,退院直後に【排便コントロール】【胃瘻チューブの管理】などの『胃瘻の管理』に関する負担があった。胃瘻の管理に慣れ,介護が日常になるとともに『胃瘻の介護による疲労』を感じていた。また,胃瘻造設から時間が経つとともに【活動性が低下した被介護者の状態への苦悩】【経口摂取を止めたことへの後悔】【胃瘻造設が早すぎたのでは...

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Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 289 - 295
Main Authors 片桐, 瑠里, 服部, 紀子, 佐々木, 晶世, 菅野, 眞奈, 青木, 律子, 叶谷, 由佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 2015
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Summary:本研究では,胃瘻造設高齢者の介護を行う家族の介護負担を明らかにすることを目的とした。胃瘻造設をした高齢者を自宅で介護した経験のある主介護者5名を対象として半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した。その結果,35の[コード],14の【カテゴリー】,3つの『テーマ』が抽出された。患者の家族は,退院直後に【排便コントロール】【胃瘻チューブの管理】などの『胃瘻の管理』に関する負担があった。胃瘻の管理に慣れ,介護が日常になるとともに『胃瘻の介護による疲労』を感じていた。また,胃瘻造設から時間が経つとともに【活動性が低下した被介護者の状態への苦悩】【経口摂取を止めたことへの後悔】【胃瘻造設が早すぎたのではという疑問】【先の介護に対する不安】など『胃瘻造設に対する葛藤』に悩んでいた。したがって,看護師は,造設後の経過に伴って変化する介護負担を見極めて継続的な援助をすることが重要であると示唆された。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.23.4_289