散発下痢症から検出されたCampylobacter jejuniの血清型とその年次別推移

1981~1987年の7年間に東京都立駒込病院, 墨東病院, 荏原病院, 豊島病院の感染症科, 内科並びに小児科の入院下痢患者や外来の下痢患者から検出されたC. jejuni 3,749菌株を対象に著者らが開発した血清型別法 (TCKシステム) によって血清型を検討した. 4病院の小児科で分離されたC. jejuni 2,499株の内1,962株がTCKシステムで型別された.高頻度に認められた血清型はTCK7, 1, 4, 12, 21, 23, 24, 14, などであった. 成人から検出されたC. jejuni1,250については974株がTCKシステムで型別できた.高頻度に検出された血清...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 64; no. 7; pp. 787 - 793
Main Authors 伊藤, 武, 柳川, 義勢, 今川, 八束, 西川, 慶繁, 辻, 正周, 山口, 剛, 村岡, 良昭, 佐久, 一枝, 大橋, 誠, 安島, 勇, 新垣, 正夫, 高橋, 正樹, 甲斐, 明美, 松原, 義雄, 水岡, 慶二, 清水, 長世, 斉藤, 香彦, 瀬尾, 威久, 相楽, 裕子, 山崎, 悦子, 村田, 三沙子, 細谷, 純一郎, 深見, トシ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.07.1990
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.64.787

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Summary:1981~1987年の7年間に東京都立駒込病院, 墨東病院, 荏原病院, 豊島病院の感染症科, 内科並びに小児科の入院下痢患者や外来の下痢患者から検出されたC. jejuni 3,749菌株を対象に著者らが開発した血清型別法 (TCKシステム) によって血清型を検討した. 4病院の小児科で分離されたC. jejuni 2,499株の内1,962株がTCKシステムで型別された.高頻度に認められた血清型はTCK7, 1, 4, 12, 21, 23, 24, 14, などであった. 成人から検出されたC. jejuni1,250については974株がTCKシステムで型別できた.高頻度に検出された血清型は小児の場合とほぼ同様にTCK1, 4, 7, 12, 20などであった. 年次別に検出されたC. jejuniの血清型の推移をみた場合, 小児由来株と成人由来株の両者間では殆ど同じ傾向であった.高頻度に検出されたTCK1, 7についてはそれほどの変動はみられないが, やや減少傾向である. TCK23, 14, 9は漸次減少している血清型である. これに反しTCK30は増加傾向がみとめられた. C. jejuni陽性の102名の小児科下痢患者を対象に同一人について5集落を釣菌して型別を行った. 69件は5集落とも同一血清型であった. 5件は2種の血清型, 28件は型別不能であった. 本菌の感染はほとんどが同一菌型によるものであった.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.64.787