ヒト下痢便および鶏肉, 鶏糞便から分離したCampylobacter jejuni株の薬剤感受性試験およびキノロン耐性株に対する遺伝子変異に関する検討
Campylobacter感染症に関する基礎的研究の一環として, 2002~2006年にかけて分離したヒト下痢症由来C. jejuni 53株および鶏肉, 鶏糞便由来 jC.ejuni 102株の計155株を用いて, 各種薬剤に対する感受性試験およびキノロン耐性株に対する遺伝子変異について検討を行ったところ, 以下の成績が得られた. 1) 供試した15薬剤のうち10薬剤に対していずれかの株に耐性が認められた.その内訳はCEX 99.4%, ABPC 59.4%, NA 40.6%, NFLX 40.0%, TCとCPFX各39.4%, PIPC 38.1%, MINO 30.3%, KM 3....
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 81; no. 4; pp. 363 - 369 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.07.2007
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Summary: | Campylobacter感染症に関する基礎的研究の一環として, 2002~2006年にかけて分離したヒト下痢症由来C. jejuni 53株および鶏肉, 鶏糞便由来 jC.ejuni 102株の計155株を用いて, 各種薬剤に対する感受性試験およびキノロン耐性株に対する遺伝子変異について検討を行ったところ, 以下の成績が得られた. 1) 供試した15薬剤のうち10薬剤に対していずれかの株に耐性が認められた.その内訳はCEX 99.4%, ABPC 59.4%, NA 40.6%, NFLX 40.0%, TCとCPFX各39.4%, PIPC 38.1%, MINO 30.3%, KM 3.2%およびSM 2.6%であった. 2) 薬剤耐性が認められた155株中28株 (18.1%) は単剤耐性, 残りの127株 (81.9%) は多剤耐性であった.多剤耐性を示した耐性パターンではABPC/PIPC/CEXが最も多く, 次いでABPC/PIPC/CEX/TC/MINO/NA/NFLX/CPFX等の順であった. 3) キノロン系抗菌薬に対して耐性を示した44株のうち, 43株 (97.7%) がgyrA遺伝子の変異 (Thr-86-Ile) が認められた. 以上のことから, β-ラクタム系, キノロン系およびテトラサイクリン系抗菌薬に対する耐性率が高く, また, 耐性C. jejuni株の大半が多剤耐性であることが明らかになった.さらに, キノロン系抗菌薬に対して耐性を示したC. jejuni株の多くがgyrA遺伝子の変異を起こしていることが明らかになった. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.363 |