頻回に菌を分離したAcinetobacter anitratus敗血症の3例

3例のAcinetobacter anitratus敗血症を経験した. 1) 第1例はいわゆるCommunity acquiredのA. anitratus敗血症であり, 文献上最初の報告と思われる. 2) 分離したA. anitratusの抗生物質に対する感受性検査では, 合成ベニシリン剤, セファロスポリン剤及びchloramphenicolに対して感性株と耐性株の双方が見られた。 3) Minocycline, DoxycyclineのA. anitratusに対するMICは0.2~0.78μg/mlと優れており, A. anitratus敗血症における第1選択剤と考えられる. 4) 3...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in感染症学雑誌 Vol. 57; no. 9; pp. 828 - 834
Main Authors 吉岡, 朗, 鵜木, 哲秀, 中村, 功, 石坂, 博昭, 三宅, 仁志, 万木, 二郎, 国広, 誠子, 上田, 尚紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.09.1983
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:3例のAcinetobacter anitratus敗血症を経験した. 1) 第1例はいわゆるCommunity acquiredのA. anitratus敗血症であり, 文献上最初の報告と思われる. 2) 分離したA. anitratusの抗生物質に対する感受性検査では, 合成ベニシリン剤, セファロスポリン剤及びchloramphenicolに対して感性株と耐性株の双方が見られた。 3) Minocycline, DoxycyclineのA. anitratusに対するMICは0.2~0.78μg/mlと優れており, A. anitratus敗血症における第1選択剤と考えられる. 4) 3症例の有熱期間は平均22日で, A. anitratusに対して抗菌力の強い抗生物質の投与によっても菌血症が長期間持続した. 5) 抗生物質投与中の菌血症の証明には高張培地が有用と思われる.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.57.828