メチシリン耐性黄色ブドウ球菌及びペニシリン耐性肺炎球菌に関する近畿地区疫学調査報告
黄色ブドウ球菌及び肺炎球菌の近畿地区における薬剤耐性化の最近の動向を把握する目的で, 近畿感染症研究会においてアンケート調査を行った. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) については, 検出率は全黄色ブドウ球菌の55.4%を占め, 検出場所は約80%以上が院内であった. 分離検体は外来では膿から, 入院では喀痰からの検出が高頻度であった. 複数菌検出率は64.7%で同時検出菌はPseudomoms aeruginosaが最も多かった. 薬剤感受性は, vancomycin (VCM 100%), sulfamethoxazole-trimethoprim (ST 99.2%), arb...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 72; no. 7; pp. 701 - 706 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.07.1998
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Summary: | 黄色ブドウ球菌及び肺炎球菌の近畿地区における薬剤耐性化の最近の動向を把握する目的で, 近畿感染症研究会においてアンケート調査を行った. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) については, 検出率は全黄色ブドウ球菌の55.4%を占め, 検出場所は約80%以上が院内であった. 分離検体は外来では膿から, 入院では喀痰からの検出が高頻度であった. 複数菌検出率は64.7%で同時検出菌はPseudomoms aeruginosaが最も多かった. 薬剤感受性は, vancomycin (VCM 100%), sulfamethoxazole-trimethoprim (ST 99.2%), arbekacin (ABK 98.6%) が良好であった. 一方, ペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP) では全肺炎球菌中42.4%を占め, 検出場所は約半数が外来であった. 分離検体は外来・入院ともに喀痰からの検出が高頻度であった. 複数菌検出率は49.3%で, 同時検出菌はHaemophilus influeuzaeが最も多かった. 薬剤感受性はセフェム, カルバペネム系及びVCMで良好であった. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.72.701 |