かぜ症候群に続発する細菌性呼吸器感染症の検討

慢性呼吸器疾患の急性増悪におけるウイルスと細菌の関連を検討した. 1. 鼻汁を主訴としたかぜ症候群14例にライノウイルス14の抗体価をELISA法にて測定し, 8例に有意な抗体価の上昇を認めた. また, 8例中1例に急性増悪を認め, TTAにて6例ともS. pneumoniae, H. influenzaeなどを検出した. 2. 発熱を主訴としたかぜ症候群5例にインフルエンザ抗体価をCF法で測定し, 5例に有意な抗体価の上昇を認めた. また, 5例中5例に急性増悪を認め, TTAにて3例にB. catarrahlis, S. pneumoniaeなどを検出し, 2例には急性増悪菌を検出しなかっ...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 61; no. 8; pp. 858 - 864
Main Authors 成田, 亘啓, 川名, 林治, 三上, 理一郎, 澤木, 政好, 浜田, 薫, 松本, 一郎, 国松, 幹和, 三笠, 桂一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.08.1987
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.61.858

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Summary:慢性呼吸器疾患の急性増悪におけるウイルスと細菌の関連を検討した. 1. 鼻汁を主訴としたかぜ症候群14例にライノウイルス14の抗体価をELISA法にて測定し, 8例に有意な抗体価の上昇を認めた. また, 8例中1例に急性増悪を認め, TTAにて6例ともS. pneumoniae, H. influenzaeなどを検出した. 2. 発熱を主訴としたかぜ症候群5例にインフルエンザ抗体価をCF法で測定し, 5例に有意な抗体価の上昇を認めた. また, 5例中5例に急性増悪を認め, TTAにて3例にB. catarrahlis, S. pneumoniaeなどを検出し, 2例には急性増悪菌を検出しなかった. 以上より, 上気道ウイルス感染を契機に, 下気道の細菌による続発感染をきたす事実を両者の感染を同時に証明することによって実証することができた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.61.858