市中肺炎のガイドラインに沿った各系抗菌薬の効果判定の成績

当院において, 1998年1月より2000年12月までの3年間に入院した市中肺炎のうち, 細菌性肺炎と推測された99例について, 日本呼吸器学会が定めたガイドラインに沿って, 抗菌薬の効果を検討し, 次の結果を得た. 1) ガイドラインにそって判定した各系抗菌薬の効果は, ペニシリン系で83.3% (6例中5例), セフエム系で98.7% (75例中74例), カルバペネム系で85.7% (14例中12例), テトラサイクリン系で100% (4例中4例) であった. 2) ガイドラインの設定は, 起炎菌の決定, 重症度の判定, 抗菌薬の効果の判定に有用であった. 3) 軽症ではグラム陽性菌の検...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 76; no. 7; pp. 550 - 557
Main Authors 佐々木, 英祐, 貝田, 英之, 泉川, 公一, 早川, 友一郎, 泉川, 欣一, 原, 耕平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.07.2002
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Summary:当院において, 1998年1月より2000年12月までの3年間に入院した市中肺炎のうち, 細菌性肺炎と推測された99例について, 日本呼吸器学会が定めたガイドラインに沿って, 抗菌薬の効果を検討し, 次の結果を得た. 1) ガイドラインにそって判定した各系抗菌薬の効果は, ペニシリン系で83.3% (6例中5例), セフエム系で98.7% (75例中74例), カルバペネム系で85.7% (14例中12例), テトラサイクリン系で100% (4例中4例) であった. 2) ガイドラインの設定は, 起炎菌の決定, 重症度の判定, 抗菌薬の効果の判定に有用であった. 3) 軽症ではグラム陽性菌の検出が多く, 重症になるにつれてグラム陰性菌の分離が増加した. 4) 高齢者の場合には, 効果の判定に際し, 発熱と白血球数は参考になり難いこもあると思われた. 5) 治療に反応しない因子としては, 基礎疾患, 年齢 (とくに80歳以上), 関与菌などであった. 6) 抗菌薬での治療方針は, その病院での背景を考慮に入れて立てるのがよいと思われた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.76.550