市販和風キムチに起因する腸管出血性大腸菌O157: H7 Diffuse Outbreak事例
埼玉県内の某全寮制児童自立支援施設で, 2001年8月に腸管出血性大腸菌 (EHEC) O157: H7 (Stx1 & 2産生性) による集団事例 (発症者13名, 菌陽性者29名) が発生した. 疫学的調査並びに細菌学的検査の結果, 最終的に本事例の原因食品は, 埼玉県内で製造され, 主として埼玉県及び東京都内で市販されていたキムチ風味の浅漬け「和風キムチ」であることが明らかにされた. 同時期に, 本食品を原因とするEHEC O157の家庭内発生例が同県内 (5家族8名), 更には東京都内でも多発しており, 本集団事例は和風キムチを原因食品とするDiffuse Outbreakの一...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 77; no. 7; pp. 493 - 498 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.07.2003
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.77.493 |
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Summary: | 埼玉県内の某全寮制児童自立支援施設で, 2001年8月に腸管出血性大腸菌 (EHEC) O157: H7 (Stx1 & 2産生性) による集団事例 (発症者13名, 菌陽性者29名) が発生した. 疫学的調査並びに細菌学的検査の結果, 最終的に本事例の原因食品は, 埼玉県内で製造され, 主として埼玉県及び東京都内で市販されていたキムチ風味の浅漬け「和風キムチ」であることが明らかにされた. 同時期に, 本食品を原因とするEHEC O157の家庭内発生例が同県内 (5家族8名), 更には東京都内でも多発しており, 本集団事例は和風キムチを原因食品とするDiffuse Outbreakの一端であったことが明らかにされた. Diffuse Outbreakでは, 広域に発生している個々の事例の共通性を迅速に把握することが重要である. 本事例の解明には, 複数の自治体間での疫学的情報の交換, 及びPFGEを用いた分離株の遺伝子レベルでの同一性の推測が重要な役割を果たした. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.77.493 |