当科における喉頭癌T2N0症例の検討

2002年2月から2017年6月までの15年5か月間に当科で初回治療を行った喉頭扁平上皮癌T2N0M0症例42例について検討を行った。内訳は男性39例,女性3例で,年齢中央値は68歳(49歳〜89歳)であった。声門癌32例のうち,前連合進展のあったものは20例(62.5%),なかったものは12例(37.5%)であった。3年粗生存率は95.2%,3年疾患特異的生存率は97.6%であった。3年喉頭温存率は76.2%であり,放射線治療群で69.0%,化学療法併用群で92.3%であったが,両群間に有意差は認めなかった。喉頭癌T2N0に対する放射線治療に対する化学療法併用は十分なエビデンスは確立していな...

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Published in頭頸部外科 Vol. 29; no. 2; pp. 135 - 141
Main Authors 西村, 文吾, 福田, 航平, 松本, 信, 廣瀬, 由紀, 宮本, 秀高, 井伊, 里恵子, 和田, 哲郎, 田中, 秀峰, 田渕, 経司, 中山, 雅博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2019
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.29.135

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Summary:2002年2月から2017年6月までの15年5か月間に当科で初回治療を行った喉頭扁平上皮癌T2N0M0症例42例について検討を行った。内訳は男性39例,女性3例で,年齢中央値は68歳(49歳〜89歳)であった。声門癌32例のうち,前連合進展のあったものは20例(62.5%),なかったものは12例(37.5%)であった。3年粗生存率は95.2%,3年疾患特異的生存率は97.6%であった。3年喉頭温存率は76.2%であり,放射線治療群で69.0%,化学療法併用群で92.3%であったが,両群間に有意差は認めなかった。喉頭癌T2N0に対する放射線治療に対する化学療法併用は十分なエビデンスは確立していないと考えられ,当科では標準治療である放射線標準分割照射を行っていく方針である。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.29.135