顎下部に発生した幼児のデスモイド腫瘍

デスモイド腫瘍(線維腫症)は手術による完全摘出が必要とされているが,幼児の頭頸部に発生した場合,切除後の形態,機能,顎顔面骨の成長を考慮する必要があり,切除範囲については定説がない。 症例は2歳6か月男児,1歳10か月より左頸部腫瘤が出現した。他院での生検でデスモイド腫瘍(線維腫症)と診断され化学療法を施行されたが半年間で増大傾向と骨破壊の著明な進行を認め当科紹介された。化学療法が無効なため手術適応と判断し,腫瘍切除,下顎骨区域切除,プレートによる下顎再建を行った。 術後,再発を認めず,形態・機能ともに良好である。今後,成長に伴う下顎の変形とその修正が課題と考えられる。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 25; no. 3; pp. 443 - 449
Main Authors 岸本, めぐみ, 野村, 務, 岩城, 弘尚, 越智, 篤, 岸本, 誠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:デスモイド腫瘍(線維腫症)は手術による完全摘出が必要とされているが,幼児の頭頸部に発生した場合,切除後の形態,機能,顎顔面骨の成長を考慮する必要があり,切除範囲については定説がない。 症例は2歳6か月男児,1歳10か月より左頸部腫瘤が出現した。他院での生検でデスモイド腫瘍(線維腫症)と診断され化学療法を施行されたが半年間で増大傾向と骨破壊の著明な進行を認め当科紹介された。化学療法が無効なため手術適応と判断し,腫瘍切除,下顎骨区域切除,プレートによる下顎再建を行った。 術後,再発を認めず,形態・機能ともに良好である。今後,成長に伴う下顎の変形とその修正が課題と考えられる。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.25.443