p16免疫染色で確定診断した十二指腸原発扁平上皮癌の1例

p16免疫染色にて確定診断した十二指腸原発扁平上皮癌の1例を経験した.症例は81歳,女性.定期受診にて胸部単純CTを施行し,偶発的に十二指腸下行脚に腫瘍を指摘された.上部消化管内視鏡検査の結果,2型進行癌を疑う所見を認めた.病変から4箇所生検を施行し,いずれからも浸潤性増殖する角化を伴った扁平上皮癌を認めた.造影CT・PET-CTでは明らかな遠隔転移は指摘できなかったことから,膵頭十二指腸切除を施行した.病理では形態学的に膵扁平上皮癌も鑑別に挙げられたが,p16免疫染色の結果,十二指腸原発扁平上皮癌と判断された.十二指腸原発扁平上皮癌は稀な疾患である.確定診断に免疫染色が有用であり,今後の診断...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 11; pp. 2023 - 2027
Main Authors 田中, 宏和, 三輪, 史郎, 飯沼, 伸佳, 北川, 敬之, 石井, 恵子, 佐藤, 良紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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Summary:p16免疫染色にて確定診断した十二指腸原発扁平上皮癌の1例を経験した.症例は81歳,女性.定期受診にて胸部単純CTを施行し,偶発的に十二指腸下行脚に腫瘍を指摘された.上部消化管内視鏡検査の結果,2型進行癌を疑う所見を認めた.病変から4箇所生検を施行し,いずれからも浸潤性増殖する角化を伴った扁平上皮癌を認めた.造影CT・PET-CTでは明らかな遠隔転移は指摘できなかったことから,膵頭十二指腸切除を施行した.病理では形態学的に膵扁平上皮癌も鑑別に挙げられたが,p16免疫染色の結果,十二指腸原発扁平上皮癌と判断された.十二指腸原発扁平上皮癌は稀な疾患である.確定診断に免疫染色が有用であり,今後の診断の一助となると期待される.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.2023