腹腔鏡下修復術を施行した80歳Morgagni孔ヘルニアの1例

症例は80歳,女性.頻回の嘔吐を主訴に前医受診.胸部単純X線写真で右肺野異常陰影を指摘され,当院受診となる.CTでは横隔膜ヘルニアを認め,右胸腔内に胃幽門部と横行結腸,大網の脱出を認めた.Morgagni孔ヘルニアと診断し,腹腔鏡下に脱出臓器を腹腔内へ還納し,ヘルニア門にComposix mesh®を固定して手術を終了した.術後2年経過した現在も再発を認めていない.横隔膜ヘルニアに対する鏡視下手術が徐々に浸透しつつあるが,現在も術式の選択に関しては議論の余地がある.今回高齢発症のMorgagni孔ヘルニアに対し,Composix mesh®を用いて腹腔鏡下に修復しえた1例を経験したので,若干の...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 11; pp. 3011 - 3015
Main Authors 御井, 保彦, 有川, 俊治, 阿部, 紘一郎, 宗實, 孝, 前田, 裕巳, 黒田, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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Summary:症例は80歳,女性.頻回の嘔吐を主訴に前医受診.胸部単純X線写真で右肺野異常陰影を指摘され,当院受診となる.CTでは横隔膜ヘルニアを認め,右胸腔内に胃幽門部と横行結腸,大網の脱出を認めた.Morgagni孔ヘルニアと診断し,腹腔鏡下に脱出臓器を腹腔内へ還納し,ヘルニア門にComposix mesh®を固定して手術を終了した.術後2年経過した現在も再発を認めていない.横隔膜ヘルニアに対する鏡視下手術が徐々に浸透しつつあるが,現在も術式の選択に関しては議論の余地がある.今回高齢発症のMorgagni孔ヘルニアに対し,Composix mesh®を用いて腹腔鏡下に修復しえた1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.3011