バイアバーンステント留置にて止血した肝胆膵手術後出血の4例

近年,手術手技の進歩に伴い肝胆膵外科手術の安全性は向上し,合併症の頻度は減少しているが,術後出血はいまだに致命的となることが多い.また,その治療法については確立されていないのが現状である.近年,術後出血に対して経カテーテル的動脈塞栓術が行われているが,合併症として末梢組織の血流障害が問題視されている.血流障害を防ぐ目的でcovered stent留置による止血術が報告されてはいるが,以前は保険適応外での使用を余儀なくされていた.しかし,2016年に外傷性または医原性の血管損傷症例に,緊急的な治療で用いるゴアバイアバーンステントが保険収載された.今回これを用いて止血しえた4症例の経験を提示する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 11; pp. 1971 - 1977
Main Authors 中島, 康介, 大村, 健二, 尾崎, 貴洋, 五十嵐, 一晴, 豊田, 真之, 若林, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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Summary:近年,手術手技の進歩に伴い肝胆膵外科手術の安全性は向上し,合併症の頻度は減少しているが,術後出血はいまだに致命的となることが多い.また,その治療法については確立されていないのが現状である.近年,術後出血に対して経カテーテル的動脈塞栓術が行われているが,合併症として末梢組織の血流障害が問題視されている.血流障害を防ぐ目的でcovered stent留置による止血術が報告されてはいるが,以前は保険適応外での使用を余儀なくされていた.しかし,2016年に外傷性または医原性の血管損傷症例に,緊急的な治療で用いるゴアバイアバーンステントが保険収載された.今回これを用いて止血しえた4症例の経験を提示する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.1971