腹腔鏡下に摘出した副腎骨髄脂肪腫の1例

骨髄脂肪腫は主に副腎に発生する偶発腫瘍の1つである. 本来無症状であるため臨床的に遭遇することは比較的稀とされている. 今回, 腹腔鏡下に摘出した副腎骨髄脂肪腫の1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例は72歳, 男性で, 画像診断にて偶然発見され手術目的にて紹介された. 画像上は脂肪優位の腫瘍で骨髄脂肪腫と考えられ, 腹腔鏡下右副腎摘出術を行った. 手術時間は2時間15分で, 出血は少量であった. 副腎骨髄脂肪腫は良性疾患であるが, 自然破列や腫瘍内出血例の報告もあり, 一定の大きさでは手術適応とされる. 適応となる大きさについては未だ議論のあるところであるが, 骨髄脂肪腫では...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 4; pp. 998 - 1001
Main Authors 黒田, 浩光, 植野, 望, 今西, 築, 一井, 重利, 佐野, 勝洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.998

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Summary:骨髄脂肪腫は主に副腎に発生する偶発腫瘍の1つである. 本来無症状であるため臨床的に遭遇することは比較的稀とされている. 今回, 腹腔鏡下に摘出した副腎骨髄脂肪腫の1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例は72歳, 男性で, 画像診断にて偶然発見され手術目的にて紹介された. 画像上は脂肪優位の腫瘍で骨髄脂肪腫と考えられ, 腹腔鏡下右副腎摘出術を行った. 手術時間は2時間15分で, 出血は少量であった. 副腎骨髄脂肪腫は良性疾患であるが, 自然破列や腫瘍内出血例の報告もあり, 一定の大きさでは手術適応とされる. 適応となる大きさについては未だ議論のあるところであるが, 骨髄脂肪腫では一般に腫瘍周囲の剥離が容易であり, 良性疾患に対する術式として腹腔鏡下の手術が有用と思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.998