CDDP肝動注化学療法が著効した肝細胞癌の1例
症例は61歳,男性.C型肝硬変にて当科通院中に,2006年6月肝S4領域に肝細胞癌を認め,エピルビシンによる肝動脈化学塞栓療法(以下TACE)を施行した.その後再発なく経過したが,2007年4月肝S4領域にHCCを認めたため再度エピルビシンによるTACE施行した.しかし病変の一部は胃十二指腸動脈,胆嚢動脈より栄養されており,3回目の治療はシスプラチン(動注用アイエーコール)を用いた肝動注化学療法(以下TAI)を施行した.治療1カ月後の造影CT上明らかな腫瘍縮小を認めたため有効と判断し,以降3回のアイエーコールによるTAIを施行した.アイエーコール初回導入より約1.5年が経過したが,AFPは正常...
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Published in | 肝臓 Vol. 51; no. 1; pp. 21 - 27 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2010
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.51.21 |
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Summary: | 症例は61歳,男性.C型肝硬変にて当科通院中に,2006年6月肝S4領域に肝細胞癌を認め,エピルビシンによる肝動脈化学塞栓療法(以下TACE)を施行した.その後再発なく経過したが,2007年4月肝S4領域にHCCを認めたため再度エピルビシンによるTACE施行した.しかし病変の一部は胃十二指腸動脈,胆嚢動脈より栄養されており,3回目の治療はシスプラチン(動注用アイエーコール)を用いた肝動注化学療法(以下TAI)を施行した.治療1カ月後の造影CT上明らかな腫瘍縮小を認めたため有効と判断し,以降3回のアイエーコールによるTAIを施行した.アイエーコール初回導入より約1.5年が経過したが,AFPは正常化し,画像検査上も明らかな再発を認めていない.アイエーコール肝動注化学療法が著効した1例を経験したので報告した. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.51.21 |