再発鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下経腹的腹膜前メッシュ修復術の検討

目的:再発鼠径ヘルニア症例に対する腹腔鏡下経腹的腹膜前メッシュ修復法(transabdominal preperitoneal mesh repair:TAPP)とopen mesh repair(OMR)の短期的な成績と有用性を検討した.対象と方法:1996年から2007年までの鼠径ヘルニア手術694例中再発は27例(4%)であり,その内メッシュを用いた修復は21例であった.TAPP(10例,61±4歳)とOMR(11例,62±2歳)を比較検討した.成績:手術時間は,TAPP 96±12分,OMR 108±11分と差はなかったが,術中出血量ではTAPP2±1mlに対しOMR 14±5mlと有...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 2; pp. 368 - 374
Main Authors 松谷, 毅, 宮本, 昌之, 柳, 健, 丸山, 弘, 松下, 晃, 松田, 明久, 横山, 正, 鈴木, 成治, 笹島, 耕二, 田尻, 孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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Summary:目的:再発鼠径ヘルニア症例に対する腹腔鏡下経腹的腹膜前メッシュ修復法(transabdominal preperitoneal mesh repair:TAPP)とopen mesh repair(OMR)の短期的な成績と有用性を検討した.対象と方法:1996年から2007年までの鼠径ヘルニア手術694例中再発は27例(4%)であり,その内メッシュを用いた修復は21例であった.TAPP(10例,61±4歳)とOMR(11例,62±2歳)を比較検討した.成績:手術時間は,TAPP 96±12分,OMR 108±11分と差はなかったが,術中出血量ではTAPP2±1mlに対しOMR 14±5mlと有意に高値であった.術後入院期間も,TAPP5±1日に対しOMR8±1日と有意に長かった.TAPPでは術後合併症を認めなかったが,OMRでは3例に皮下出血,1例に著しい疼痛を認めた.結論:再発鼠径ヘルニアにおけるTAPPはOMRより術後早期の愁訴が少なく早期に社会復帰可能な治療法として有用である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.368