術後補助化学療法後に治療関連骨髄性腫瘍を発症した乳癌の1例
症例は82歳の女性.5年前に左乳癌術後の補助化学療法としてEC4サイクル(epirubicin 100mg,cyclophosphamide 600mg),letrozole (2.5mg/day)を5年間,順次投与した.その後,全身倦怠感にて乳腺外来を受診し,採血結果より治療関連骨髄性腫瘍(therapy-related myeloid neoplasms:t-MNs)を疑い,当院血液内科に紹介受診となった.年齢的に強力な化学療法が困難であり,アザシチジン100mgの投与を行っており,現在も加療中である.医学中央雑誌にて「治療関連白血病」「治療関連骨髄異形成性症候群」を検索し,その中で詳細な...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 10; pp. 1980 - 1984 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2020
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Subjects | |
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Summary: | 症例は82歳の女性.5年前に左乳癌術後の補助化学療法としてEC4サイクル(epirubicin 100mg,cyclophosphamide 600mg),letrozole (2.5mg/day)を5年間,順次投与した.その後,全身倦怠感にて乳腺外来を受診し,採血結果より治療関連骨髄性腫瘍(therapy-related myeloid neoplasms:t-MNs)を疑い,当院血液内科に紹介受診となった.年齢的に強力な化学療法が困難であり,アザシチジン100mgの投与を行っており,現在も加療中である.医学中央雑誌にて「治療関連白血病」「治療関連骨髄異形成性症候群」を検索し,その中で詳細な検討ができたものは本症例を含め90例であった.その一次腫瘍の内訳では,固形腫瘍が65例(72.2%)で,乳癌が9例(13.8%)であった.今回は乳癌術後であったが,各種一次腫瘍の生命予後の延長に伴い,今後さらに抗癌剤や分子標的治療薬さらに放射線照射が施行されることが多くなり,より一層,t-MNsの発症が増加する可能性があると考えられた.化学療法の既往がある際は,t-MNsを念頭に置いて診療に当たらなければならないと考えられた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.81.1980 |