胃癌術後に発症した表在型血行性多発大腸転移の1切除例
患者は61歳,男性.約2年前に進行胃癌に対しD2郭清を伴う胃全摘術を施行された.組織型は印環細胞癌を含む低分化腺癌で,pT2(ss),pN0,H0,P0,M0,StageIB,であった.今回,大腸内視鏡検査にて上行結腸および下行結腸,S状結腸の5カ所にIIc様病変を認めた.組織生検で,すべての病変から印環細胞癌を含む低分化腺癌を認めたため,大腸原発印環細胞癌または胃癌の大腸転移と診断し手術を施行した.術後摘出標本の免疫組織学的検査では,AE1/AE3,cytokeratin(以下,CK)7は陽性で,CK20は陰性で胃原発癌腫に特有の所見であった.さらに,原発巣と考えられる胃癌標本を再検討すると...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 1; pp. 141 - 145 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2009
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.70.141 |
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Summary: | 患者は61歳,男性.約2年前に進行胃癌に対しD2郭清を伴う胃全摘術を施行された.組織型は印環細胞癌を含む低分化腺癌で,pT2(ss),pN0,H0,P0,M0,StageIB,であった.今回,大腸内視鏡検査にて上行結腸および下行結腸,S状結腸の5カ所にIIc様病変を認めた.組織生検で,すべての病変から印環細胞癌を含む低分化腺癌を認めたため,大腸原発印環細胞癌または胃癌の大腸転移と診断し手術を施行した.術後摘出標本の免疫組織学的検査では,AE1/AE3,cytokeratin(以下,CK)7は陽性で,CK20は陰性で胃原発癌腫に特有の所見であった.さらに,原発巣と考えられる胃癌標本を再検討すると両者の組織型が一致しており,胃癌の結腸転移と診断した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.70.141 |