口腔内手術中に電気メスによって燃焼事故を起こした症例

8歳, 女児. 全身麻酔下口蓋扁桃摘出手術中にピンセットを介した電気メスによる凝固止血操作を行っていたところ, 綿球と気管チューブに引火した. 麻酔は空気・酸素・セボフルランで維持し, 気管チューブは内径6.0mm, カフを使用し, ガーゼによる咽頭パックをしていた. 吸気酸素濃度は約40%であった. 後に, 40%酸素充満の条件下で電気メス (50W) の放電火花により乾綿球が発火することを実験的に確認した. 35%酸素濃度以下では発火しなかった. 事故後は電気メスと乾綿球の併用を中止し, 吸気酸素濃度を下げ, 口腔内に吸引チューブを留置しリークした酸素をできるかぎり排除することで対応してい...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 27; no. 1; pp. 77 - 79
Main Authors 棚橋, 順治, 中村, 不二雄, 湯本, 正人, 梶野, 友世, 三浦, 政直, 吉澤, 佐也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2007
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.27.77

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Summary:8歳, 女児. 全身麻酔下口蓋扁桃摘出手術中にピンセットを介した電気メスによる凝固止血操作を行っていたところ, 綿球と気管チューブに引火した. 麻酔は空気・酸素・セボフルランで維持し, 気管チューブは内径6.0mm, カフを使用し, ガーゼによる咽頭パックをしていた. 吸気酸素濃度は約40%であった. 後に, 40%酸素充満の条件下で電気メス (50W) の放電火花により乾綿球が発火することを実験的に確認した. 35%酸素濃度以下では発火しなかった. 事故後は電気メスと乾綿球の併用を中止し, 吸気酸素濃度を下げ, 口腔内に吸引チューブを留置しリークした酸素をできるかぎり排除することで対応している.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.27.77