がん治療薬と食物アレルギー

セツキシマブはEGFRを標的とするヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体で、本邦では大腸癌の治療薬として用いられている。近年、米国において、セツキシマブによるアナフィラキシーの原因がgalactose-α-1, 3-galactose (以下、α-galと略) に対する抗糖鎖抗体であることが報告され、これらの糖鎖がウシやブタやヒツジなどの哺乳類に豊富に存在するため、これらを摂取した時にもアナフィラキシーを生じることが報告された。筆者らの施設で経験した牛肉アレルギー患者についてセツキシマブ特異的IgEを測定したところ、いずれも高値を示し、牛肉特異的IgE値と相関関係が認められた。このことから、セ...

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Published in静脈経腸栄養 Vol. 28; no. 2; pp. 615 - 618
Main Authors 千貫, 祐子, 高橋, 仁, 森田, 栄伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈経腸栄養学会 2013
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Summary:セツキシマブはEGFRを標的とするヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体で、本邦では大腸癌の治療薬として用いられている。近年、米国において、セツキシマブによるアナフィラキシーの原因がgalactose-α-1, 3-galactose (以下、α-galと略) に対する抗糖鎖抗体であることが報告され、これらの糖鎖がウシやブタやヒツジなどの哺乳類に豊富に存在するため、これらを摂取した時にもアナフィラキシーを生じることが報告された。筆者らの施設で経験した牛肉アレルギー患者についてセツキシマブ特異的IgEを測定したところ、いずれも高値を示し、牛肉特異的IgE値と相関関係が認められた。このことから、セツキシマブ投与前に牛肉特異的IgEを測定することによって、α-galが原因となるセツキシマブのアナフィラキシーを未然に防ぐことが出来る可能性がある。
ISSN:1344-4980
1881-3623
DOI:10.11244/jjspen.28.615