感染により喉頭浮腫を来したlaryngoceleの1例

症例は69歳女性。咽頭痛と喀痰,左頸部腫脹を主訴に前医に受診し,喉頭浮腫を来していたため当院紹介され受診した。喉頭内視鏡で喉頭左側に腫脹と浮腫を認め,気道狭窄を来していた。頸部CTにて液面形成を伴う囊胞性病変が喉頭から頸部に認めたためlaryngoceleの感染と診断した。抗菌薬投与と頸部からの穿刺排膿が著効し感染は軽快した。初回治療から約2か月後に頸部外切開法でlaryngocele摘出術を行った。手術後には一過性の喉頭浮腫を来したが,保存的治療で対応可能であった。治療経過を通じて気管切開術を回避することができた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 3; pp. 425 - 429
Main Authors 池田, 雅一, 多田, 靖宏, 谷, 亜希子, 仲江川, 雄太, 川瀬, 友貴, 室野, 重之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2017
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Summary:症例は69歳女性。咽頭痛と喀痰,左頸部腫脹を主訴に前医に受診し,喉頭浮腫を来していたため当院紹介され受診した。喉頭内視鏡で喉頭左側に腫脹と浮腫を認め,気道狭窄を来していた。頸部CTにて液面形成を伴う囊胞性病変が喉頭から頸部に認めたためlaryngoceleの感染と診断した。抗菌薬投与と頸部からの穿刺排膿が著効し感染は軽快した。初回治療から約2か月後に頸部外切開法でlaryngocele摘出術を行った。手術後には一過性の喉頭浮腫を来したが,保存的治療で対応可能であった。治療経過を通じて気管切開術を回避することができた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.425