自覚症状にて発見され自然縮小した胸腺腫の2例

今回,自覚症状にて発見され,自然縮小した胸腺腫の2例を経験したので報告する.症例1は71歳女性.胸痛,発熱を主訴に前医を受診し,胸部CT検査で前縦隔に径8×10 cm大の腫瘍と,心囊液および両側胸水の貯留を認めたため,当科紹介となった.自覚症状出現後,1ヵ月で手術となったが,術直前のCT検査では,腫瘍は径6.5×7.5 cmと縮小し,心囊液および両側胸水は消失していた.症例2は59歳女性.前医で肺炎にて加療後,咳嗽が遷延していた.胸部CT検査で前縦隔に径6×2 cmの腫瘍が認められたため当科紹介となった.肺炎発症後6ヵ月後に手術となったが,術直前のCT検査で腫瘍は径5×1 cmと縮小を認めた....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 36 - 41
Main Authors 安川, 元章, 東条, 尚, 河合, 紀和, 川口, 剛史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2017
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.31.36

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Summary:今回,自覚症状にて発見され,自然縮小した胸腺腫の2例を経験したので報告する.症例1は71歳女性.胸痛,発熱を主訴に前医を受診し,胸部CT検査で前縦隔に径8×10 cm大の腫瘍と,心囊液および両側胸水の貯留を認めたため,当科紹介となった.自覚症状出現後,1ヵ月で手術となったが,術直前のCT検査では,腫瘍は径6.5×7.5 cmと縮小し,心囊液および両側胸水は消失していた.症例2は59歳女性.前医で肺炎にて加療後,咳嗽が遷延していた.胸部CT検査で前縦隔に径6×2 cmの腫瘍が認められたため当科紹介となった.肺炎発症後6ヵ月後に手術となったが,術直前のCT検査で腫瘍は径5×1 cmと縮小を認めた.いずれの症例も摘出術を施行し,病理組織検査で胸腺腫の診断であった.腫瘍内部に壊死像を認め,胸腺腫の自然縮小と壊死には関連があると考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.31.36