異時性に胃壁内転移をきたした食道表在癌の1例

症例は75歳,女性.2005年5月,食道癌に対して内視鏡下粘膜下剥離術を施行した.病理結果は中分化型扁平上皮癌,1.0×0.7cm,pSM1 200μm,pHM0,pVM0,ly1,v1であったため放射線化学療法を施行した.その後2007年12月の上部消化管内視鏡検査で内視鏡下粘膜下剥離術を施行した局所に所見はなかったが,胃噴門部に2型病変を指摘し,生検で扁平上皮癌を認めた.その他画像検査で他臓器やリンパ節転移は認めず,食道癌治療後異時性胃壁内転移と診断し噴門側胃切除術を施行した.術後病理学検査では粘膜下を主座とした中分化型扁平上皮癌でly1,v2の脈管浸潤を認めたことから脈管経由による食道癌...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 11; pp. 2808 - 2812
Main Authors 木内, 亮太, 高木, 正和, 渡辺, 昌也, 大端, 考, 大場, 範行, 伊関, 丈治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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Summary:症例は75歳,女性.2005年5月,食道癌に対して内視鏡下粘膜下剥離術を施行した.病理結果は中分化型扁平上皮癌,1.0×0.7cm,pSM1 200μm,pHM0,pVM0,ly1,v1であったため放射線化学療法を施行した.その後2007年12月の上部消化管内視鏡検査で内視鏡下粘膜下剥離術を施行した局所に所見はなかったが,胃噴門部に2型病変を指摘し,生検で扁平上皮癌を認めた.その他画像検査で他臓器やリンパ節転移は認めず,食道癌治療後異時性胃壁内転移と診断し噴門側胃切除術を施行した.術後病理学検査では粘膜下を主座とした中分化型扁平上皮癌でly1,v2の脈管浸潤を認めたことから脈管経由による食道癌胃壁内転移と診断した.食道癌異時性胃壁内転移は稀であり文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.2808