当科における鼻副鼻腔内反性乳頭腫手術症例の検討

2007年4月から2017年3月の10年間に,当科で根治手術を行った鼻副鼻腔内反性乳頭腫の36症例について後方視的に検討した。内訳は男性32例,女性4例であり,平均年齢は63.8歳であった。腫瘍の進展度はKrouseの分類に沿って分類すると,T1が6例,T2が7例,T3が20例,T4が3例(うち悪性腫瘍の混在例が2例)であった。手術方法はT1およびT2では全例ESS単独,T3およびT4では腫瘍の進展範囲に応じてESS単独・ESS+外切開併用・外切開単独での手術を行った。観察期間は13〜84か月で,再発率は19%であった。再発を防ぐための基部を含めた完全切除が必須であり,術後は再発を早期に発見す...

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Published in頭頸部外科 Vol. 29; no. 2; pp. 129 - 134
Main Authors 宮本, 大輔, 木村, 幸弘, 高林, 哲司, 成田, 憲彦, 坂下, 雅文, 藤枝, 重治, 加藤, 幸宣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2019
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.29.129

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Summary:2007年4月から2017年3月の10年間に,当科で根治手術を行った鼻副鼻腔内反性乳頭腫の36症例について後方視的に検討した。内訳は男性32例,女性4例であり,平均年齢は63.8歳であった。腫瘍の進展度はKrouseの分類に沿って分類すると,T1が6例,T2が7例,T3が20例,T4が3例(うち悪性腫瘍の混在例が2例)であった。手術方法はT1およびT2では全例ESS単独,T3およびT4では腫瘍の進展範囲に応じてESS単独・ESS+外切開併用・外切開単独での手術を行った。観察期間は13〜84か月で,再発率は19%であった。再発を防ぐための基部を含めた完全切除が必須であり,術後は再発を早期に発見するため鼻副鼻腔ファイバーや画像検査による継続的な経過観察が重要と考えられる。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.29.129