骨盤内悪性腫瘍手術時の交差性尿管尿管吻合による尿管再建の経験

目的:当センターにおいて骨盤内悪性腫瘍手術に際し片側尿管の合併切除を行い交差性尿管尿管吻合(transureteroureterostomy;以下TUU)により再建を行った症例を対象に合併症,予後を検討した.方法:2006年6月から2014年5月までの間に同再建術を施行した10例を対象に検討を行った.結果:原疾患は結腸癌4例,直腸癌4例,子宮頸癌1例,卵巣癌1例であった.原発が2例で,8例は術後再発症例であった.尿管吻合に関連する術後短期の合併症は,1例に血腫による尿管口閉塞,水腎症を認めたのみであった.術後観察期間の中央値は16.5カ月で,その間,反復する尿路感染症はなく,術前と比べて術後の...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 10; pp. 2693 - 2697
Main Authors 財間, 正純, 原田, 英樹, 山本, 秀和, 中川, 淳, 山本, 道宏, 川村, 純一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.2693

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Summary:目的:当センターにおいて骨盤内悪性腫瘍手術に際し片側尿管の合併切除を行い交差性尿管尿管吻合(transureteroureterostomy;以下TUU)により再建を行った症例を対象に合併症,予後を検討した.方法:2006年6月から2014年5月までの間に同再建術を施行した10例を対象に検討を行った.結果:原疾患は結腸癌4例,直腸癌4例,子宮頸癌1例,卵巣癌1例であった.原発が2例で,8例は術後再発症例であった.尿管吻合に関連する術後短期の合併症は,1例に血腫による尿管口閉塞,水腎症を認めたのみであった.術後観察期間の中央値は16.5カ月で,その間,反復する尿路感染症はなく,術前と比べて術後の腎機能低下は認められなかった.結語:本術式は尿管合併切除を伴う骨盤内悪性腫瘍手術時の再建方法として有用かつ安全であり,治療の選択肢として考慮されるべき術式と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.2693