耳硬化症を疑ったキヌタ骨複合奇形の1例

症例は49歳の女性,8年来難聴を自覚していたが未精査であった。良性発作性頭位めまい症にて前医を受診した際に左伝音難聴を指摘され当科紹介となった。鼓膜は正常,純音聴力検査にてstiffnes curveを呈する左50.0dBの伝音難聴とCarhart’s notchをみとめ,左アブミ骨筋反射消失,ティンパノグラムはAs型であった。側頭骨CTで明らかな異常は認められなかった。耳硬化症を疑いアブミ骨手術予定としたが,術中に伝音難聴の病態がキヌタ骨短脚のキヌタ骨窩への固着とキヌタ・アブミ関節の癒合(耳小骨奇形)であることが判明し,固着の解除のみ行い聴力改善を得た。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 1; pp. 119 - 123
Main Authors 山本, 沙織, 奥野, 妙子, 畑, 裕子, 栗田, 宣彦, 一瀬, 和美, 堤内, 亮博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2016
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Summary:症例は49歳の女性,8年来難聴を自覚していたが未精査であった。良性発作性頭位めまい症にて前医を受診した際に左伝音難聴を指摘され当科紹介となった。鼓膜は正常,純音聴力検査にてstiffnes curveを呈する左50.0dBの伝音難聴とCarhart’s notchをみとめ,左アブミ骨筋反射消失,ティンパノグラムはAs型であった。側頭骨CTで明らかな異常は認められなかった。耳硬化症を疑いアブミ骨手術予定としたが,術中に伝音難聴の病態がキヌタ骨短脚のキヌタ骨窩への固着とキヌタ・アブミ関節の癒合(耳小骨奇形)であることが判明し,固着の解除のみ行い聴力改善を得た。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.119