横行結腸inflammatory fibroid polypの1例

症例は40代後半, 女性. 2004年4月下旬下血を認めたため, 近医受診. 下部消化管内視鏡検査で横行結腸に腫瘤性病変を指摘された, 5月下旬当院当科入院となった. 注腸検査では, 脾彎曲部よりの横行結腸に径約3cmの隆起性病変を認め, 下部消化管内視鏡で表面不整で粘膜の引きつれを伴うIspポリープを認めた. 術前SM大腸癌と診断し, 2004年6月上旬腹腔鏡補助下結腸左半切除術を施行した. 摘出標本では, 茶褐色の2.5×2.3×2.0cm大のIp型のポリープであった. 組織学的には, 強い炎症を背景とした線維芽細胞の増生からなり炎症細胞の中では, 特に好酸球浸潤が著明であった. ポリープ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 4; pp. 928 - 932
Main Authors 宇野, 彰晋, 宗本, 義則, 三井, 毅, 浅田, 康行, 飯田, 善郎, 三浦, 将司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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Summary:症例は40代後半, 女性. 2004年4月下旬下血を認めたため, 近医受診. 下部消化管内視鏡検査で横行結腸に腫瘤性病変を指摘された, 5月下旬当院当科入院となった. 注腸検査では, 脾彎曲部よりの横行結腸に径約3cmの隆起性病変を認め, 下部消化管内視鏡で表面不整で粘膜の引きつれを伴うIspポリープを認めた. 術前SM大腸癌と診断し, 2004年6月上旬腹腔鏡補助下結腸左半切除術を施行した. 摘出標本では, 茶褐色の2.5×2.3×2.0cm大のIp型のポリープであった. 組織学的には, 強い炎症を背景とした線維芽細胞の増生からなり炎症細胞の中では, 特に好酸球浸潤が著明であった. ポリープ表面はびらん状で上皮が残存する部位では反応性に過形成となっており, 病変内にentrapされた上皮は嚢胞状に拡張を認め, 硬化した血管も散見された. 病変はポリープ部に限局し, 茎外への進展は認めず, 病変の主座は粘膜下層であり, inflammatory fibroid polypと診断した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.928