膵頭十二指腸切除術を施行した胃癌と十二指腸乳頭部内分泌細胞癌の重複癌の1例
79歳,男性.心窩部痛を主訴に近医を受診し,上部消化管内視鏡検査にて前庭部胃癌と十二指腸乳頭部癌を認め当院に紹介された.術前生検ではいずれも腺癌と診断され,標準膵頭十二指腸切除術により両者を一期的に切除した.病理組織学的検索では胃は腺癌(por2>tub2,pT2(MP),pN1,fStage II)で,十二指腸乳頭部病変は免疫組織学的検索にてsynaptophysin,chromogranin A陽性の内分泌細胞癌(pT3,pN1,fStage III)と診断された.また,複数のリンパ節に内分泌細胞癌および腺癌の起源の異なる転移を認めた.術後6カ月目で内分泌細胞癌が肝転移再発をきたし,...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 1; pp. 203 - 208 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2011
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Summary: | 79歳,男性.心窩部痛を主訴に近医を受診し,上部消化管内視鏡検査にて前庭部胃癌と十二指腸乳頭部癌を認め当院に紹介された.術前生検ではいずれも腺癌と診断され,標準膵頭十二指腸切除術により両者を一期的に切除した.病理組織学的検索では胃は腺癌(por2>tub2,pT2(MP),pN1,fStage II)で,十二指腸乳頭部病変は免疫組織学的検索にてsynaptophysin,chromogranin A陽性の内分泌細胞癌(pT3,pN1,fStage III)と診断された.また,複数のリンパ節に内分泌細胞癌および腺癌の起源の異なる転移を認めた.術後6カ月目で内分泌細胞癌が肝転移再発をきたし,13カ月目に癌死した. 十二指腸乳頭部内分泌細胞癌の報告は複数あるが,胃癌との重複例はこれまで皆無であった.また,自験例は膵頭十二指腸切除術により両者の切除が一期的に可能であった興味ある症例と考え報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.72.203 |