耳下腺手術後の口唇運動麻痺の多様性と顔面神経下顎辺縁枝傷害の関係について

頭頸部手術において,顔面神経下顎辺縁枝の機能温存は,術後QOLを保つために大切である。また,その結果のフィードバックは手技向上のためにも重要である。本研究では,術後の口唇運動麻痺の多様性とその評価について検討した。 2013年以降に手術を行った耳下腺良性疾患100例を対象に,口角下制時,口唇突き出し時の口唇運動の左右差を評価した。  口唇下制の左右差は36例で確認された。その中でオトガイ筋収縮スコア0は22例,1は9例,2は5例であった。術後1か月ではそれぞれ31%,77%,100%,3か月では5%,56%,100%で口角下制左右差が残存した。 術後口唇運動麻痺は,オトガイ筋収縮の程度により群...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 3; pp. 363 - 366
Main Authors 加藤, 大星, 横島, 一彦, 中溝, 宗永, 酒主, 敦子, 稲井, 俊太, 大久保, 公裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2017
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.26.363

Cover

More Information
Summary:頭頸部手術において,顔面神経下顎辺縁枝の機能温存は,術後QOLを保つために大切である。また,その結果のフィードバックは手技向上のためにも重要である。本研究では,術後の口唇運動麻痺の多様性とその評価について検討した。 2013年以降に手術を行った耳下腺良性疾患100例を対象に,口角下制時,口唇突き出し時の口唇運動の左右差を評価した。  口唇下制の左右差は36例で確認された。その中でオトガイ筋収縮スコア0は22例,1は9例,2は5例であった。術後1か月ではそれぞれ31%,77%,100%,3か月では5%,56%,100%で口角下制左右差が残存した。 術後口唇運動麻痺は,オトガイ筋収縮の程度により群分けができ,治癒予測の根拠となると考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.363