気道緊急を要した喉頭蓋脂肪腫の1例

気道緊急を要した喉頭蓋脂肪腫の1例を経験した。症例は56歳女性で主訴は約1年前からの咽喉頭異常感症であった。来院時気道狭窄症状を呈していたが,体位を工夫し,腫瘍を一時的に牽引することで気管切開術を施行することなく経鼻的に気道確保を行い,全身麻酔下に経口的切除が可能であった。摘出検体の病理検査により脂肪腫の最終診断となった。 咽喉頭腔原発の脂肪腫はまれな良性腫瘍性疾患であるが,時として気道緊急をきたす。大きな腫瘍であっても,気道確保の際に腫瘍基部の局在に対応した手技を工夫することで気管切開術を回避しうると考えられた。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 27; no. 3; pp. 335 - 339
Main Authors 折舘, 伸彦, 吉村, 太一, 塩野, 理, 矢吹, 健一郎, 池宮城, 秀崇, 西村, 剛志, 千葉, 欣大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.27.335

Cover

More Information
Summary:気道緊急を要した喉頭蓋脂肪腫の1例を経験した。症例は56歳女性で主訴は約1年前からの咽喉頭異常感症であった。来院時気道狭窄症状を呈していたが,体位を工夫し,腫瘍を一時的に牽引することで気管切開術を施行することなく経鼻的に気道確保を行い,全身麻酔下に経口的切除が可能であった。摘出検体の病理検査により脂肪腫の最終診断となった。 咽喉頭腔原発の脂肪腫はまれな良性腫瘍性疾患であるが,時として気道緊急をきたす。大きな腫瘍であっても,気道確保の際に腫瘍基部の局在に対応した手技を工夫することで気管切開術を回避しうると考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.27.335