左水腎症を合併した瘤径16cmの腹部大動脈瘤の1例
55歳,男性.他院にて腹部腫瘤の精査目的で単純CT検査を施行し,腹部大動脈瘤の診断で当院に紹介受診となった.来院時,症状は特になく左側腹部を中心に超手拳大の拍動性腫瘤を認めた.造影CTにて瘤径16cmの腹部大動脈瘤と左尿管圧迫に伴う左水腎症,左総腸骨~内腸骨動脈瘤を認めた.瘤径が大きく炎症反応の上昇,腎機能の悪化があったため,緊急に人工血管置換術を施行した.術中所見では瘤壁内に多量の陳旧性白色血栓があったが,破裂の所見はなかった.手術時間は2時間47分,出血量は166mlであった.術後は軽度の麻痺性イレウスをきたしたが,第25病日に退院となった....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 11; pp. 2665 - 2668 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.76.2665 |
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Summary: | 55歳,男性.他院にて腹部腫瘤の精査目的で単純CT検査を施行し,腹部大動脈瘤の診断で当院に紹介受診となった.来院時,症状は特になく左側腹部を中心に超手拳大の拍動性腫瘤を認めた.造影CTにて瘤径16cmの腹部大動脈瘤と左尿管圧迫に伴う左水腎症,左総腸骨~内腸骨動脈瘤を認めた.瘤径が大きく炎症反応の上昇,腎機能の悪化があったため,緊急に人工血管置換術を施行した.術中所見では瘤壁内に多量の陳旧性白色血栓があったが,破裂の所見はなかった.手術時間は2時間47分,出血量は166mlであった.術後は軽度の麻痺性イレウスをきたしたが,第25病日に退院となった. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.76.2665 |