声帯異形成として経過観察中に未分化多形肉腫を生じた1例

未分化多形肉腫は,悪性線維性組織球腫と呼ばれた腫瘍で,間葉系細胞を起源とし,線維芽細胞,組織球様細胞,および非定型巨細胞などのいくつかのタイプの細胞で構成される疾患である。未分化多形肉腫は頭頸部領域において発症頻度の少ない疾患で,その中で喉頭を原発にするものは稀である。その誘因は放射線被曝以外には明らかなものはないとされる。今回われわれは,左声帯の異形成で外来経過観察中に急激に増大する腫瘍を認め,切除の結果未分化多形肉腫の診断に至り,術後放射線治療を行うことで腫瘍制御が可能であった1例を経験したので,文献学的考察を加えて報告する。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 29; no. 2; pp. 193 - 196
Main Authors 仲江川, 雄太, 中村, 宏舞, 川瀬, 友貴, 多田, 靖宏, 室野, 重之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2019
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Summary:未分化多形肉腫は,悪性線維性組織球腫と呼ばれた腫瘍で,間葉系細胞を起源とし,線維芽細胞,組織球様細胞,および非定型巨細胞などのいくつかのタイプの細胞で構成される疾患である。未分化多形肉腫は頭頸部領域において発症頻度の少ない疾患で,その中で喉頭を原発にするものは稀である。その誘因は放射線被曝以外には明らかなものはないとされる。今回われわれは,左声帯の異形成で外来経過観察中に急激に増大する腫瘍を認め,切除の結果未分化多形肉腫の診断に至り,術後放射線治療を行うことで腫瘍制御が可能であった1例を経験したので,文献学的考察を加えて報告する。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.29.193