副耳下腺に発生した悪性リンパ腫の1例

副耳下腺は耳下腺本体から独立した唾液腺である。今回われわれは副耳下腺に発生した悪性リンパ腫のまれな1例を経験した。症例は43歳,男性で,右頰部腫瘤の精査加療目的に当科紹介となった。悪性腫瘍の可能性を疑い腫瘍摘出術を施行した。腫瘍は副耳下腺腫瘍と考えられ,病理診断は濾胞性リンパ腫であった。副耳下腺腫瘍は耳下腺腫瘍と比較して悪性腫瘍の頻度が高く,悪性腫瘍の可能性も考えて診断をすすめる必要がある。また臨床的に副耳下腺腫瘍が初発症状であること,副耳下腺腫瘍周囲に他のリンパ節を認めないことから,副耳下腺原発の悪性リンパ腫と考えられた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 25; no. 3; pp. 469 - 473
Main Authors 柳川, 明弘, 中村, 研一, 大森, 孝一, 松塚, 崇, 鈴木, 俊彦, 國井, 美羽, 西條, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2016
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.25.469

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Summary:副耳下腺は耳下腺本体から独立した唾液腺である。今回われわれは副耳下腺に発生した悪性リンパ腫のまれな1例を経験した。症例は43歳,男性で,右頰部腫瘤の精査加療目的に当科紹介となった。悪性腫瘍の可能性を疑い腫瘍摘出術を施行した。腫瘍は副耳下腺腫瘍と考えられ,病理診断は濾胞性リンパ腫であった。副耳下腺腫瘍は耳下腺腫瘍と比較して悪性腫瘍の頻度が高く,悪性腫瘍の可能性も考えて診断をすすめる必要がある。また臨床的に副耳下腺腫瘍が初発症状であること,副耳下腺腫瘍周囲に他のリンパ節を認めないことから,副耳下腺原発の悪性リンパ腫と考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.25.469