マンモグラフィーで構築の乱れを伴うも良性と診断された乳腺12例の長期経過

• Published in: 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 10; pp. 1791 - 1796
• Main Authors: 井口, 雅史, 平田, 美紀, 石川, 聡子, 川島, 博子, 寺川, 裕史, 太田, 哲生
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本臨床外科学会 2019
• Subjects: 乳癌; 構築の乱れ; 硬化性腺症
• ISSN: 1345-2843; 1882-5133
• DOI: 10.3919/jjsa.80.1791

マンモグラフィにて構築の乱れを呈する乳腺疾患としては，悪性疾患と並んで，良性疾患も鑑別に挙げられる．構築の乱れを呈し，良性疾患と診断された症例について検討した．対象と方法:マンモグラフィにて構築の乱れを指摘され良性と診断された症例を対象として，背景や経過，その後の発見癌の状況などについて検討した．結果:良性の構築の乱れと診断された症例は12例であった．6例は乳腺症又は硬化性腺症と診断した．観察期間の中央値は4年（1-13年）であった．経過観察中，5例（42％）に乳癌が発見されていた．乳癌発見までの期間の中央値は5年（1-7年）であった．非浸潤癌が1例，浸潤癌は4例で浸潤を多く認め，サブタイプは様々であった．結語:構築の乱れを呈する乳腺症や硬化性腺症と診断された症例でも，長期経過で高率に浸潤癌が発見される可能性がある．このような構築の乱れは，長期にわたり追跡し経過観察する必要がある．