頸部食道癌肉腫の1例

症例は73歳,男性。嚥下時違和感を主訴に近医を受診し,頸部食道を主座とし下咽頭から胸部上部食道に達する頸部食道癌と診断され当院に紹介となった。組織生検にて癌肉腫が疑われ,咽頭喉頭食道全摘術および両側頸部郭清術を施行した。摘出標本は,腫瘍は頸部食道を主座とした1型腫瘍で,長径は12cmであった。病理組織検査では紡錘形異型細胞よりなる肉腫様病変と扁平上皮癌とを認め,また両者の移行像も認められたことから癌肉腫と診断した。深達度はMPで,所属リンパ節転移は認めなかった。食道癌肉腫の中でも稀な頸部食道癌肉腫の1例を経験したので若干の文献的考察も加えて報告する。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 28; no. 1; pp. 101 - 105
Main Authors 矢野, 実裕子, 矢吹, 健一郎, 須藤, 七生, 田辺, 輝彦, 佐野, 大佑, 塩野, 理, 原, 健太朗, 利野, 靖, 折舘, 伸彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2018
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は73歳,男性。嚥下時違和感を主訴に近医を受診し,頸部食道を主座とし下咽頭から胸部上部食道に達する頸部食道癌と診断され当院に紹介となった。組織生検にて癌肉腫が疑われ,咽頭喉頭食道全摘術および両側頸部郭清術を施行した。摘出標本は,腫瘍は頸部食道を主座とした1型腫瘍で,長径は12cmであった。病理組織検査では紡錘形異型細胞よりなる肉腫様病変と扁平上皮癌とを認め,また両者の移行像も認められたことから癌肉腫と診断した。深達度はMPで,所属リンパ節転移は認めなかった。食道癌肉腫の中でも稀な頸部食道癌肉腫の1例を経験したので若干の文献的考察も加えて報告する。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.28.101