唾液腺管瘻を伴ったBranchio-Oto症候群の1例

• Published in: 頭頸部外科 Vol. 23; no. 1; pp. 109 - 113
• Main Authors: 野中, 学, 宮本, 真理子, 吉原, 俊雄, 一瀬, 和美, 坂林, 美喜子, 宇野, 真莉子
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2013
• Subjects: Branchio-Oto症候群; 唾液腺管瘻; 異所性唾液腺; 耳奇形; 頸瘻
• ISSN: 1349-581X; 1884-474X
• DOI: 10.5106/jjshns.23.109

Branchio-Oto（BO）症候群は，鰓原性奇形（側頸瘻，耳瘻孔，外耳奇形など），難聴（内耳奇形，中耳奇形など）を合併し，常染色体優性遺伝を呈する疾患である。われわれは，両側難聴，右外耳奇形，両側中耳奇形，右側頸瘻を呈しBO症候群と診断した31歳女性の症例を経験したので報告する。この症例に対して全身麻酔下に右側頸瘻摘出術を施行した。病理検査にて頸瘻周囲に皮脂腺の他，耳下腺や顎下腺と連続性のない唾液腺組織を認めた。本症例は側頸瘻に異所性の唾液腺組織が存在し，唾液分泌を呈する唾液腺管瘻と考えられた。