術後21年目に孤立性乳腺転移再発した腎細胞癌の1例

症例は71歳,女性.21年前に左腎細胞癌にて左腎全摘術施行され,その後は再発を認めなかった.平成24年10月に左乳房に腫瘤を自覚し当院受診された.左乳房CD領域に直径約3.5cmの腫瘤認め,core needle biopsy (CNB)を行った.CNBと前医での腎原発巣との組織像を比較したところ類似していたため,腎細胞癌からの左乳房転移と診断した.PET検査にて左乳房以外に異常集積認めず,腎細胞癌の孤立性乳腺転移と診断し,左乳房円状部分切除を行った.術後無治療で2年経過しているが,無再発生存中である.腎細胞癌の場合,術後長期間経過していても十分転移・再発の可能性を考慮することが重要である....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 10; pp. 2382 - 2386
Main Authors 内山, 清, 田中, 良一, 蔭山, 典男, 山本, 芳樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.2382

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Summary:症例は71歳,女性.21年前に左腎細胞癌にて左腎全摘術施行され,その後は再発を認めなかった.平成24年10月に左乳房に腫瘤を自覚し当院受診された.左乳房CD領域に直径約3.5cmの腫瘤認め,core needle biopsy (CNB)を行った.CNBと前医での腎原発巣との組織像を比較したところ類似していたため,腎細胞癌からの左乳房転移と診断した.PET検査にて左乳房以外に異常集積認めず,腎細胞癌の孤立性乳腺転移と診断し,左乳房円状部分切除を行った.術後無治療で2年経過しているが,無再発生存中である.腎細胞癌の場合,術後長期間経過していても十分転移・再発の可能性を考慮することが重要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.2382