乳腺葉状腫瘍の肝円索転移の1例

症例は56歳, 女性で, 3カ月で1cmから9cmまで急速に増大した左乳腺葉状腫瘍に対して2003年11月左乳房単純切除術を施行し, その2カ月後の2004年1月のCTで左肺下葉転移 (3個, 4.5cm, 1cm, 1cm) を認めたため2004年2月6日に左肺下葉切除術を追加した. その後は1カ月ごとにCTを行ったところ, 2004年6月 (初回手術より7カ月) には腹腔内転移 (肝前面) を示唆する所見を認めたため2004年6月15日に開腹術を追加した. 術中所見として腫瘍は5cm大で, 表面平滑, 辺縁不整であり内部は出血・壊死も認めた. 腫瘍は肝円索より発生しており一部腹壁に浸潤して...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 161 - 165
Main Authors 濱津, 隆之, 楠本, 哲也, 福田, 篤, 中島, 明彦, 松浦, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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Summary:症例は56歳, 女性で, 3カ月で1cmから9cmまで急速に増大した左乳腺葉状腫瘍に対して2003年11月左乳房単純切除術を施行し, その2カ月後の2004年1月のCTで左肺下葉転移 (3個, 4.5cm, 1cm, 1cm) を認めたため2004年2月6日に左肺下葉切除術を追加した. その後は1カ月ごとにCTを行ったところ, 2004年6月 (初回手術より7カ月) には腹腔内転移 (肝前面) を示唆する所見を認めたため2004年6月15日に開腹術を追加した. 術中所見として腫瘍は5cm大で, 表面平滑, 辺縁不整であり内部は出血・壊死も認めた. 腫瘍は肝円索より発生しており一部腹壁に浸潤していたため腹壁も合併切除した. 肝円索転移術後現在まで20カ月間, 再発を認めない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.161