喉頭垂直部分切除術後の原発巣再発危険因子についての検討

喉頭垂直部分切除術は近年早期声門癌の照射後再発に対して施行されることが多い。一部のT3病変や声門以外の喉頭癌などへの適応拡大は原発巣再発の注意が必要である。2005年から2014年に当科で喉頭垂直部分切除術を施行した喉頭扁平上皮癌21例を対象として原発巣制御率と原発巣再発の危険因子について検討を行った。3年原発巣制御率は83%であった。原発巣再発の危険因子は前治療の有無(p=0.12),亜部位の差(p=0.31),傍声帯間隙浸潤の有無(p=0.026),頸部照射の既往の有無(p=0.48)では有意差はなく,声門下進展の有無(p=0.0087)で有意差を認めた。声門下進展症例に喉頭垂直部分切除を...

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Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 3; pp. 353 - 357
Main Authors 繁治, 純, 岩江, 信法, 平山, 裕次, 松居, 秀敏, 米澤, 宏一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2017
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.26.353

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Summary:喉頭垂直部分切除術は近年早期声門癌の照射後再発に対して施行されることが多い。一部のT3病変や声門以外の喉頭癌などへの適応拡大は原発巣再発の注意が必要である。2005年から2014年に当科で喉頭垂直部分切除術を施行した喉頭扁平上皮癌21例を対象として原発巣制御率と原発巣再発の危険因子について検討を行った。3年原発巣制御率は83%であった。原発巣再発の危険因子は前治療の有無(p=0.12),亜部位の差(p=0.31),傍声帯間隙浸潤の有無(p=0.026),頸部照射の既往の有無(p=0.48)では有意差はなく,声門下進展の有無(p=0.0087)で有意差を認めた。声門下進展症例に喉頭垂直部分切除を施行する際は適応を慎重に行う必要があると思われた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.353