Polymerase chain reaction (PCR) 法を用いた細菌汚染確認法

細菌汚染を知るための方法を研究した.種々の細菌の16SリボソームRNA (rRNA) の888bpの遺伝子領域を検出するPolymerase chainreaction (PCR) 法を用いた.被検菌には100℃, 10分の加熱菌液上清を用いた.グラム陰性秤菌の16菌属およびグラム陽性の1菌属の合計151菌株全てから標的のリボソームDNA (rDNA) が確認され, さらにPCRで増幅された標的rDNA断片の制限酵素 (MluI, Eco RI, HindIII) 切断パターンから5群に大別された.この5つの群はShigella菌属とE.coliのI群, I群を除く他の腸内細菌科;9菌属とAe...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 68; no. 4; pp. 495 - 499
Main Author 小林, 一寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.04.1994
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.68.495

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Summary:細菌汚染を知るための方法を研究した.種々の細菌の16SリボソームRNA (rRNA) の888bpの遺伝子領域を検出するPolymerase chainreaction (PCR) 法を用いた.被検菌には100℃, 10分の加熱菌液上清を用いた.グラム陰性秤菌の16菌属およびグラム陽性の1菌属の合計151菌株全てから標的のリボソームDNA (rDNA) が確認され, さらにPCRで増幅された標的rDNA断片の制限酵素 (MluI, Eco RI, HindIII) 切断パターンから5群に大別された.この5つの群はShigella菌属とE.coliのI群, I群を除く他の腸内細菌科;9菌属とAeromonas菌属のII群, Vibrio菌属のIII群, Campylobacter菌属とP.aeruginosaのIV群およびS, aureus (MRSA) のV群である.I群は使用した3つの制限酵素によって切断され, II群はMluIとEcoRIで切断されるがHindIIIでは切断されず, III群はMluIのみに感受性で, IV群は全ての酵素に感受性がみられないものである.V群はEcoRIとHindIIIに感受性であるがMluIでは切断されない型である. この方法は細菌汚染を確認するための応用範囲の広い方法である.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.68.495