腹腔鏡下にメッシュを除去した鼠径ヘルニア術後感染の1例
症例は63歳の男性で,右鼠径ヘルニアに対して2013年8月に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を施行した.同年10月より右鼠径部の膨隆を自覚したため外来受診し,CTにて創部に膿瘍形成を認め術後感染と診断した.保存的加療では軽快せず,同年11月に手術を施行した.鼠径部からのアプローチにて膿瘍腔を開放し,壊死組織の除去および洗浄を行ったが,膿瘍腔とメッシュは接しておらず,メッシュの摘出は行わなかった.術後,創部に留置したドレーンを用いて洗浄を継続するも軽快せず,2014年1月に腹腔鏡下でのメッシュ除去術を施行した.メッシュは周囲組織と強固に癒着しており摘出に難渋した.術後,創部感染は速やかに改善し,現在ま...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 11; pp. 2836 - 2841 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2015
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Subjects | |
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Summary: | 症例は63歳の男性で,右鼠径ヘルニアに対して2013年8月に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を施行した.同年10月より右鼠径部の膨隆を自覚したため外来受診し,CTにて創部に膿瘍形成を認め術後感染と診断した.保存的加療では軽快せず,同年11月に手術を施行した.鼠径部からのアプローチにて膿瘍腔を開放し,壊死組織の除去および洗浄を行ったが,膿瘍腔とメッシュは接しておらず,メッシュの摘出は行わなかった.術後,創部に留置したドレーンを用いて洗浄を継続するも軽快せず,2014年1月に腹腔鏡下でのメッシュ除去術を施行した.メッシュは周囲組織と強固に癒着しており摘出に難渋した.術後,創部感染は速やかに改善し,現在までヘルニアの再発も認めていない. 今回われわれは,腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術後のメッシュ感染に対して,腹腔鏡下にメッシュ除去を行い根治しえた貴重な1例を経験した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.76.2836 |