播種性骨髄癌症による播種性血管内凝固症候群に対してMTX/5-FU療法が奏効した横行結腸低分化型腺癌の1例

59歳, 女性. 平成18年4月下旬に横行結腸癌に対して横行結腸切除術を施行した. その後外来通院中であったが同年6月呼吸困難と頭痛を主訴に救急受診し, 高度貧血・血小板減少のため緊急入院となった. 急速に播種性血管内凝固症候群 (以下DIC) を併発し, びまん性骨髄転移が疑われたことより播種性骨髄癌症と診断した. 十分なインフォームドコンセントの上, 直ちに抗DIC療法およびMTX/5-FU化学療法を開始した. 治療開始数日後には血液データおよび自覚症状の改善を認め, 全身状態良好のため第36病日に退院となった. 化学療法の副作用も軽度白血球減少を認めたのみであった. 本疾患は稀な病態であ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 4; pp. 943 - 947
Main Authors 衛藤, 謙, 小菅, 誠, 渡部, 通章, 小川, 匡市, 矢永, 勝彦, 横山, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.943

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Summary:59歳, 女性. 平成18年4月下旬に横行結腸癌に対して横行結腸切除術を施行した. その後外来通院中であったが同年6月呼吸困難と頭痛を主訴に救急受診し, 高度貧血・血小板減少のため緊急入院となった. 急速に播種性血管内凝固症候群 (以下DIC) を併発し, びまん性骨髄転移が疑われたことより播種性骨髄癌症と診断した. 十分なインフォームドコンセントの上, 直ちに抗DIC療法およびMTX/5-FU化学療法を開始した. 治療開始数日後には血液データおよび自覚症状の改善を認め, 全身状態良好のため第36病日に退院となった. 化学療法の副作用も軽度白血球減少を認めたのみであった. 本疾患は稀な病態であり診断時には全身状態不良なことが多いが, 早期診断に努めすみやかに積極的治療を行うことが重要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.943