乳腺原発骨肉腫の1例

症例は50歳,女性.2012年10月に右乳房腫瘤に気付いたが放置していた.急速に増大し,出血を繰り返すようになったため,2013年1月来院.右乳房AC領域に22cm大の弾性硬腫瘤を認め,皮膚潰瘍を伴い易出血性であった.針生検では上皮は確認されず,非定型的な間葉系腫瘍が示唆された.葉状腫瘍は否定的で,出血が頻回多量のため準緊急的に乳房全摘術と腋窩リンパ節郭清を行った.病理診断は乳腺原発骨肉腫であった.術前高値であったアルカリホスファターゼ(ALP),血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は術後低下した.確立された化学療法のレジメンはなく,術後放射線治療を追加した.まれな疾患であり,文献的考察を加え報告...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 10; pp. 2690 - 2695
Main Authors 畠, 雅弘, 田枝, 督教, 岡田, 晃穂, 牛嶋, 良, 大谷, 紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.2690

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Summary:症例は50歳,女性.2012年10月に右乳房腫瘤に気付いたが放置していた.急速に増大し,出血を繰り返すようになったため,2013年1月来院.右乳房AC領域に22cm大の弾性硬腫瘤を認め,皮膚潰瘍を伴い易出血性であった.針生検では上皮は確認されず,非定型的な間葉系腫瘍が示唆された.葉状腫瘍は否定的で,出血が頻回多量のため準緊急的に乳房全摘術と腋窩リンパ節郭清を行った.病理診断は乳腺原発骨肉腫であった.術前高値であったアルカリホスファターゼ(ALP),血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は術後低下した.確立された化学療法のレジメンはなく,術後放射線治療を追加した.まれな疾患であり,文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.2690